KENNY DREW LIVE
      p. Kenny Drew  b.  ds. 
    Recording 1992
     ★★★★★
  
このCDは、ケニー・ドリューの亡くなる1年前のライヴ録音である。ケニーの声まで入っていて、ライヴの熱気の伝わる実に楽しいCDである。ケニー・ドリューといえば、1980年代に、日本のレコード会社と提携して、日本人向きのロマンチックなアルバムを、数多く出して話題になった。このライヴでは、ジャズの素晴らしさや楽しさを存分に聞かせてくれる。まず、ケニー・ドリューのピアノの軽くて煌めくようなタッチが、素晴らしい。よく走り、そして時にはロマンチックでリリックでさえある。しかし、甘さに流れることなく、ユーモラスなタッチでよくバランスをとっている。

出だしから、実に明るく、軽快である。2曲目は、バラード調のロマンチックな曲というように、選曲も工夫されている。また、ベースやドラムの活躍場所を設け、ジャズの魅力を余すところなく聞かせくれる。ほとんどの曲が明快でくつろいでいて、暖かい。最後の曲のみが、ドラマチックな緊張感があり、シメになっている。
典型的なリリックな曲であるNo.2の”It Might As Well Be Spring”を聞いてみよう。




   Tea for Two    阿川 泰子
     Recording 1997
     ★★★★★
 
 ここで、阿川泰子のヴォーカルを選んだかというと、ジャズ歌手には、往年の大歌手が、幾人もいるが、阿川泰子の声は、愛らしく落ち着いていて、日本人の感性に合っている気がしたからである。このアルバムは、ミュージカルのスタンダードを歌っているが、録音が新しく、バックのオーケストラやトランペット、サックスの音質がよく、阿川泰子の円熟したヴォーカルを、素晴らしい雰囲気で、満喫することが出来る。

どの歌も、暖かく優しく、本当に心の落ち着く素晴らしい歌ばかりである。ジャズヴォーカルらしく、誇張したところがなく、感情の抑制が良くとれている。バックのトランペットやサックスが、何とも人間味のある暖かい助奏を聞かせてくれる。特に、素晴らしいのは、No.2”Somewhere”である。トランペットの美しい助奏がはいる。だんだん感動が高まって行くが、阿川泰子は、ジャズ歌手らしく、感情に溺れないように、バランスを保っている。





    DIARY    国府 弘子
     p.Hiroko Kokubu
     vo.Anri
     b.  ds.  g.  perc.  synth.  fl.  BIG HORNS BEE
     Recording 1998
     明快性 ★★★★★
  
 
日本のフュージョンのホープの国府弘子の新しいアルバム。ウェスココースト風の爽やかで明るい印象が目立つ。

ジャズピアノを基本にして、エレキギターのロック風な響き、杏里のヴォーカルでポップス風の雰囲気、ピアノの独奏でクラシック風のおもむき、など様々な音楽の要素が、融合し一体となって、アルバムが出来上がっている。9曲がそれぞれの趣向をもっており、多彩なアルバムである。しかも、ピアノが走り音が多様な割には、どの曲もメロディーが美しく、あか抜けていて、現代的で、格調もある。
特に、素晴らしいのは、No.2の”Remind Me”の、杏里のヴォーカルで、流暢であか抜けた、都会的な明るさが、何とも爽やかである。



 BY SPECIAL REQUEST       CARMEN MCRAE 
    vo. Carmen Mcrae
     accordion  fl.  g.  p.  b.  ds.
     ★★★★★
     Recording 1955
 往年の名ジャズヴォーカリスト、カーメン・マクレイの33歳の時のアルバムで、若々しい心地よい歌声である。

1950年代といえば、モダンジャズの最盛期であるが、この頃のカーメン・マクレイのアルバムは、陽気で暖かく、くつろいでいる。口笛を吹くように楽天的に、時には軽快に、時にはしっとりと、爽やかに歌っている。楽器は、50年代の面影を感じさせるが、カーメンのヴォーカルは、実に中身が濃く、何度聞いても飽きないような音楽性の高さを感じるが、にもかかわらず、親しみを感じるのは不思議な気がする。






    Waltz for Debby       Bill Evans Trio
         p. Bill Evans   b. Scott Lafaro   ds. Paul Motian
        Recording 1961
        ★★★★★

 ジャズの名盤中の名盤である。優秀なライブ録音で、人々の拍手や、グラスの音などが聞こえてきて、雰囲気満点である。

密度の濃い、瞑想的な演奏をするビル・エヴァンスのアルバムの中では、くつろいだ雰囲気で、明快でメロディクな演奏である。有名なNo.2の”Waltz for Debby”などを聞いていると、心休まるような暖かさがある。くつろいだ雰囲気だが、プレイの質は高く、即興的で、入魂の演奏である。ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードのライブ録音で、水割りでも楽しみながら聞くのが最高だと思う。







     You Are So Beautiful  木住野 佳子
   
p. Yosiko Kisino  b.  ds.  
      Recording  1998
      ★★★★★

 
木住野佳子は、ビル・エヴァンスを知り抜いた、日本の本格的なジャズピアニストである。ビル・エヴァンスよりは、タッチは軽く、ピアノが良く走り、縦横無尽に音が発展していく。いわゆるビバップするピアニストだと思う。それでいてメロディーの美しさが感じられる。

音が、とらわれなく、自由無碍に展開していくところなどは、いかにもジャズピアニストらしい。このアルバムを聞いていると、夜空の星々を眺めているようで、無数の星々が煌めきに、心が解放されて、雑念が消えていくような感じがする。

特に、美しいのは、ビートルズのナンバーである、No.7”Here,There And Everywhere”で、歌心に溢れて、音符が自由に跳ねているような素晴らしい演奏である。



    Pure Heart      国府弘子
    Recording  1992
    ★★★★★
 陽光を感じるような明るさと、都会的なあか抜けたセンスの見事に一体化したアルバム。ジャズピアノを基本にして、クラシックやロック、ラテン音楽などの要素を取り入れて、現代的なサウンドを自然で、メロディクにコンポーズしている。特に、ラテンのリズムが陽気で、都会的なセンスで爽やかにアレンジされている。
   どの曲を聞いても、爽やかで明るく、自然で、メロディの美しさが光っている。











    Good Morning    増尾好秋
    ag. eg.  Yosioki Masuo
    ap.  ep.  bass.  ds.  percussion  hammondorgan  harp  vo.
    Recording 1979
    ★★★★★
 増尾好秋は、日本のミュージシャンでは、いち早くニューヨークに行き、ソニー・ロリンズのコンポに加わり、ジャズの修行をした人である。このアルバムはニューヨークの郊外で夏を過ごした思い出をもとに彼が作曲したアルバムである。このアルバムは、1970年代の、クロスオーバーの名盤として知られている。このアルバムでは、ジャズの要素より、ロックやポップスの要素をより多く感じさせる。

とにかく、出だしの2曲が、初夏の微風のように爽やかである。エレクトリック・ギターの音も、何とも爽やかで、ぎらぎらした感じは全く与えない。ハープの音色が美しく、初夏の陽気の煌めきを感じさせる。音楽も暖かく、自然と人間の賛歌のような曲である。今風な、現代的な都会的なセンスは、あまり感じさせないが、それが、また安らぎを感じさせている。




Menu Page