"Celine Dion"  Celine Dion
  
  ★★★★
  Recorded 1992

 セリーヌ・ディオンのセカンド・アルバムである。カナダのケベックでは、13歳のころから知られていた天才少女であった。このセカンド・アルバムは、セリーヌのこれまでの10年間の総集編として力を入れてつくられたものである。完成された風格をもつ素晴らしいアルバムである。全編にアップテンポの曲とバラードが上手くアレンジされている。全般的にラブソング集といえる美しさをもっている。バラードは内向きにならず、賛歌のようでありヒューマニスティックである。

  大らかに歌いあげるラブソングである、No.3"Show Some Emotion"。こんな美しい歌があったのかと思わせるようなNo.8、"If I Were You"






      "Standards in Norway"    Keith Jarrett
  
  ★★★★
  
Recorded 1989
  
P. B. DS.


  1980年代から始まったキースのスタンダードは、1989年のヨーロッパ・ライヴで一段落したようだ。これらのスタンダードは、ビル・エヴァンスのピアノ・トリオと伴に、ピアノ・トリオの傑作として見なされている。

キース・ジャレット・トリオのスタンダードに共通している特徴は、ピアノの透明な響き、JAZZの原点とも言えるスウィング感、そしてキースのピアノの幻想性などが挙げられると思う。人気があると伴に難解さも伴っている。その辺もビル・エヴァンスのピアノと似ている。”Standards in Norway"は、洗練された演奏と伴に分かりやすさに評判があるようだ。快適な演奏であるが、内容の深さは推し量り難いところがある。

No.5"慕情"はメロディーの分かり易い典型的なスタンダードであるが、慕情のメロディーの後、ピアノ・トリオは深いアドリブの世界へ入っていく。それは幻想的と言っていいほど抽象的な世界であると思う。次のNo.6"Dedicated to You"になるとキースの独壇場になってくる。瞑想的なピアノからだんだんと高揚したピアニズムに発展していく。この辺りに私は禅の世界を感じてしまう。日本人だからであると思う。

                                        花鳥図   長谷川信春

                                               
  
この花鳥図は、色彩的には水墨画に似た質素さがある。白梅の線は東洋的な山水画を象徴している。いずれにしても、禅の影響を受けた水墨画が原点になっている。

キースのピアニズムは、決して感情を煽るものではない。感情想念を超えた世界を指向している。そこが抽象的で分かりにくいところでもある。これまでの西洋音楽では理解しにくい世界だと思う。しかし、「ケルン・ソロコンサート」の時と同じように東洋的な山水画を想像するとむしろ分かり易い。東洋的な山水画も感情想念を超えた世界を指向しているからである。キースのピアニズムの中に禅的な世界を連想するのは私だけではないようだ。





    "helen merrill"   Hellen Merrill
  

  ★★★
  Recorded 1954

  クリフォード・ブラウンが共演していることで、ジャズ・ヴォーカルの代表的な名盤になっている。「ニューヨークのため息」と呼ばれたヘレン・メリルは、天才トランペッター・クリフォードブラウンに相当な好意をもっていたらしい。だから、このアルバムは、ヘレン・メリルとクリフォードブラウンとの愛の賜物であるという人もいる。

しかし、実際に聞いてみると、ヘレン・メリルはジャズ・ヴォーカルらしく、落ち着いた雰囲気で歌っている。バラードが多く、どちらかというと癒し系の音楽だと思う。心が疲れている時に聞くと、本当に癒されるアルバムだと思う。

クリフォード・ブラウンのトランペットが抜けたようにひらめいている。ヘレン・メリルは円熟の境地にあり、ジャズ・ヴォーカルの難しいフレーズを淡々と歌っていく。
No.2"You'd be so Nice"はミドル・テンポのメロディーに親しみのあるバラードである。No.7"'S Wonderful"は、このアルバムの中で唯一のアップテンポで陽気な曲である。



      "Moanin'"    Art Blakey
  
  ★★★
  Recorded 1958
  
TR TS P B DS

  
これもジャズの名盤として知られている。正確には、アート・ブレーキー(ドラム)とジャズ・メセンジャーという副題がついている。「モーニン」は、そばやの出前屋さんまでが口ずさむくらい日本でも流行ったらしい。確かにNo.2"Moanin'"は歌いやすいリズムで、如何にも陽気でユーモラスな黒人のJazzである。No.4"Along Came Betty"では、トランペットとテナー・サックスが中間部で開放的で格調のあるJazzを聞かせてくれる。






      熱帯JAZZ楽団W  La Rumba
  
  ★★★
  Recorded 2000


  熱帯JAZZ楽団の4thアルバムである。副題にはルンバとある。このアルバムには始終ルンバの音が入り、一層ラテンの熱を濃くしている。メンバーは、日本のJazz界の新進気鋭が連なっている。いわば、日本Jazz界のドリームチームといったところであろうか。分かり易く、しかも熱く洗練された日本のJazzを堪能することが出来る。器楽では、日本のJazzは決して欧米に遅れをとっていないと思う。
No.3"Invitation"では、しばらくしてピアノの絡みが素晴らしい。No.6"Begin the Beguine"では珍しくボーカルが入り賑やかになっている。






        EXISTENCE    白崎彩子

  Recorded 2003
  p. b. ds.
  ★★★


  白崎彩子の初アルバムであるが、すでにハイネケン・ジャズ・コンペティションでピアノ部門で二位になり、才能を嘱望されていた。ニューヨークのマンハッタン音楽院の大学院を修了して、ニューヨークで研鑽を積んできた。その証しがこのアルバムになっているわけだ。

彼女の演奏は、走るようなピアノのスピード感と、豊かな音楽性にあり、初アルバムと言っても質の高い演奏で、よくスウィングすると同時に飽きさせない感性のようなものを持ち合わせている。誰が聞いてもJazzのよさを楽しませてくれるアルバムになっている。ナンバーの大部分は、ピアノの走る爽快感が何とも言えないが、No.6"Far Away"はバラード調の美しい曲で、彼女の才能の豊かさを感じさせる。Jazzの本格的なバラードを聞かせてくれる。No,10"Falling Reaves"も分散和音のロマンチックな出だしで始まる抒情的な曲である。



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