Kind of Blue    Miles Davis

  TP. AS. TS. P. B. DS.
  Recorded 1959 COLUMBIA
  ★★★★★

  
マイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」は、全国ジャス喫茶アンケートNO.1のアルバムである。洗練された究極の現代音楽である。都会の夜のロマンと孤独をクールに描いている。ジャズ喫茶の統計でトップの座を占めたのも、そのような現代人の感性の共感性からだと思う。出だしの半音階的な不可思議な分散和音からして、現代音楽的な雰囲気を漂わせている。ステレオ録音の指向性も抜群であり録音も完璧である。

マイルスのモード奏法のアルバムとして知られているが、バップ期の演奏と比較すると、よりクールであり瞑想的である。しかし、キャノンボールのアルトサックスは結構スウィングしているし、フォービートも健在である。モダンジャズの傑作の一枚であると思う。No.1"So What"の出だしが印象的である。全体的に瞑想的であり、心を静めてくれる浄化作用があると思う。





        BLUES ette    Curtis Fuller
  TB. TS. P. B. DS.
  Recorded 1959  SAVOY
  ★★★★★

  
トロンボーン奏者カーティス・フラーの「ブルース・エッテ」は名盤である。ジャケットが美しく忘れることの出来ないディスクである。J.J.ジョンソンの底抜けに明るいトロンボーンに比べると、渋い音である。演奏は典型的なハードバップでスイングした熱演である。どこか苦労人の影があるような渋い響きはむしろ共感性として受け取られる。実に心に染みるプレイである。現代人の傷ついた心を癒してくれる。心の安定を図ってくれるのである。どことはなくよいのである。

No1"Five Spot"
が抜群に有名である。またNo.3"Blues ette"は、トロンボーンとテナーサックスのインタープレイを楽しめる。ピアノのトミー・フラナガンも好演している。



        Ray Bryant Trio
  P. B. DS.
  Recorded 1956  Collectables  Sony Music
  ★★★★★

  
Prestige の同名の名盤があるので注意して欲しい。この「レイ・ブライアント・トリオ」も1950年代のRay bryant Trio の曲を収録している。レイ・ブレイアントは、根っから明るくしかもフレーズが美しい。メロディーも分かりやすく快適に聞けるピアニストである。その点でオスカー・ピーターソンと似ていると思う。聞いているだけでご機嫌な気分に浸ることが出来る。明るいJazzを好む人にはお奨めのジャズメンである。タッチはしっかりしており決して情に流されるタイプでもない。

このディスクには全部で12曲のピアノ・トリオが収録されているが、どれを取っても一流の曲ばかりである。No.4"Cry Me a River" 
しっとりとしたバラードである。レイ・ブライアントには珍しい哀愁を帯びた曲である。





        Remenbrance    渡辺貞夫

  AS. P. TP. B. DS. TB
  Recorded 1999   Verwe
  ★★★★★

  
渡辺貞夫の「リメンバランス」は、本格的なコンボセッションである。渡辺貞夫のアルトサックスも音色が透明で洗練されている。ピアノ、トランペット、トロンボーンなども音色に表情があり実にセンスの良い演奏である。ピアノなどはロマンチックな表情も見せている。

今や日本の器楽Jazzのレベルは世界のトップクラスだと思う。日本人のセンスの良さを物語るようである。ただ、インパクトが弱いのが気になる程度である。トランペットの音色などは楽器の究極を行っているように思う。ヴォーカルに大物が出ないのは肉体的な相違があるから仕方がない。それに日本人は昔から器楽ジャズを愛好していた。現代の日本Jazzの典型がここに現れている。No.4"Forest Song"
では、ピアノのロマンチックな分散和音で始まる。ミドルテンポで進み、ベースのソロがある。アルトサックスが登場して次第に高まってくる。トロンボーンがミドルテンポで渋く歌っている。各楽器のインタープレイに発展していく。ピアノの音色が光っている。全部で10曲あるがすべて洗練された質の高い演奏ばかりである。




        LIVE LIVE LIVE    Duke Jordan
  P. B. DS.
  Recorded 1987  Tokuma Japan
  ★★★★★

  
ダイエットして1960年代のジューク・ジョーダンより若返って見える。「フライト・ツ・デンマーク」の薄暗い演奏に比べて、遙かに明るくピアノも力強い。「ライヴ・ライヴ・ライヴ」は、本格的なハードバップのセッションである。細かいところをみてもソフィストケイトされ質の高い演奏である。何度聞いても飽きない魅力のあるアルバムだ。素晴らしいの一語に尽きる。このライヴは来日時のレコーディングである。

No3"All The Things You Are"
はジューク・ジョーダンの得意のスタンダードである。アドリブの応酬になっている。




        Candy    Lee Morgan
 TP. P. B. DS.
  Recorded 1957  Blue Note
  ★★★★

  
天才クリフォード・ブラウンの弟子格にあたるトランペッターであるが、また違った個性があり面白い。リー・モーガンは、軽妙洒脱という言葉がぴったりくるようなジャズメンである。とにかく軽いトランペットであり、抑制のきいた吹き方は、Jazzのテクニックの見本になりそうである。軽くてしかもトランペットの輝きを失わない演奏は、天才のなせる技に違いない。

リー・モーガンのトランペットは音がシャボン玉のように空に上っていくようである。陰気さの正反対である。マイルス・デーヴィスのように構えたところもない。落語のように洒落てセンスのよい音楽である。No.4"All The Way"
は、リー・モーガンの歌心が溢れている。もちろんマイナーな印象は感じられない。




        The Tatum Group Masterpieces    Art Tatum
  P. TS. B. DS.
  Recorded 1956  PABLO
  ★★★★

  
アート・テイタムとベン・ウェブスターの共演は歴史に残る名演として愛聴されている。アート・テイタムは、これが最後のレコーディングで8週間後に帰らぬ人となった。1909年オハイオ州に生まれ、弱視であったが独学でピアノを覚え、華麗なテクニックと音楽性で1930年代からJazzシーンに躍り出た。ビバップ期のジャズメンにも影響を与えることになる。このレコーディングを残して1956年に逝去した。

このアルバムでは、ベン・ウェブスターのアルト・サックスにより焦点が当たっている。ベン・ウェブスターの独特のブローは、jazzの渋さを一層煽り、温かく人間味豊かな世界を築いている。No.4"My One And Only Love"では、ベン・ウェブスターの渋いブローが何とも温かく心に染みてくる。アート・テイタムのピアノとよく息が合っている。歴史に残る共演として人々の記憶に残されている。



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